花實短歌会
昭和15年(1940年)、平野宣紀により創刊された尾上柴舟系の月刊短歌誌【かじつ】です。 令和2年(2020年)に80周年を迎えました。
前月佳什抄
炎天にくれなゐ極むる百日紅人より強き忍耐を見す 三友さよ子
琵琶湖過ぎ余呉湖久々子(くぐし)湖三方湖とうつろふ水面帰郷の旅路 中村美代子
「泣いてゐる」と晶子詠へるセーヌ川五輪のボートの雨に烟れる 会川 淳子
病み籠もる夫の心に添ひゆかん共に歩きし日々を偲びつ 山口 怜子
ほととぎす鳴くを聞きたり父母の墓前に祈り捧げゐる時 天野 弘枝
一人居は淋しからむと百一歳(ひやくいち)の義姉の電話に暑さを忘る 太田 光
梅雨晴の公園を行く車椅子木洩れ日あまた膝掛けに乗せ 樫本 信子
口染めて妹と笑ひし日は遙か赤き桑の実黒き桑の実 小杉 弘江
三舟山の裾のせせらぎ微かなる音たて夏のひかりを運ぶ 小林 博子
難病を抱ふる夫の物忘れ病も忘れ朗らなる日々 松本 祐子
(十月号より)
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花實短歌会
〒369-1231 埼玉県大里郡寄居町立原533
三友さよ子
☎・FAX 048-581-7202
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