前月佳什抄

炎天にくれなゐ極むる百日紅人より強き忍耐を見す          三友さよ子

琵琶湖過ぎ余呉湖久々子(くぐし)湖三方湖とうつろふ水面帰郷の旅路 中村美代子

「泣いてゐる」と晶子詠へるセーヌ川五輪のボートの雨に烟れる    会川 淳子

病み籠もる夫の心に添ひゆかん共に歩きし日々を偲びつ        山口 怜子

ほととぎす鳴くを聞きたり父母の墓前に祈り捧げゐる時        天野 弘枝

一人居は淋しからむと百一歳(ひやくいち)の義姉の電話に暑さを忘る 太田  光

梅雨晴の公園を行く車椅子木洩れ日あまた膝掛けに乗せ        樫本 信子

口染めて妹と笑ひし日は遙か赤き桑の実黒き桑の実          小杉 弘江

三舟山の裾のせせらぎ微かなる音たて夏のひかりを運ぶ        小林 博子

難病を抱ふる夫の物忘れ病も忘れ朗らなる日々            松本 祐子

                       (十月号より)

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